おぉ、ゆうしゃよ。たびだてないとはなさけない


•5人用

•男性役4、女性役1

•10〜15分くらい

•コメディ



登場人物


・ゆうしゃ(男性)

世界を救うべく旅立つ(予定の)勇者。

快活で勇敢。活力に満ち溢れていて、旅の予感に胸を高鳴らせている。


・せんし(男性)

筋肉を愛し、筋肉に愛されたおっさん。

でかい。イカツイ。

筋肉が筋肉で筋肉。


・まほうつかい(男性)

年齢不詳のエルフの男。

クールで落ち着いている。

だが、フェチパワーを溜めないと魔法が使えない。


・そうりょ(女性)

紅一点。

しっかり物で、金のために生きている。

すーぱーうるとら守銭奴。

長髪でメガネのクール系美女。


・まおう(男性)

設定なし。自由に。


・ゆうしゃの母(女性)

一言だけの役。

____________________


ゆうしゃ「よーし!王様からヒノキの棒と5Gももらったし、酒場で仲間も揃えた!準備万端だ!行こうぜ!!みんな!!」


せんし、まほうつかい、そうりょ「「「ダメだ(です)」」」


ゆうしゃ「なんでぇ…!?いや、待って!空気読んで?!今まさに、冒険のはじまりーー!って感じだったのに!!」


せんし「ダメだ!そんな貧弱な筋肉で旅に出たら死ぬぞ!!」


ゆうしゃ「は?…」


まほうつかい「ダメだ。賛成しかねる。旅に出る動機が不純だ」


ゆうしゃ「いや、まあただ冒険がしてみたいからとか、そういう気持ちもあるけど…」


そうりょ「ダメです。準備が足りません。まず、旅の準備を整えましょう」


ゆうしゃ「おお、一番まともそう!えーっと、そうりょさんだっけ。何が足りないと思う?」


そうりょ「まず、王様から頂いた支度金が足りません。王様の弱みを握って宝物庫の中身を丸ごと頂いたうえで、戦力も足りていないので、王国軍の出動要請もしましょう」


ゆうしゃ「だめだ!まともじゃないやこの人!!つーか、待って待って!だめだめだめだめ!!王様脅しちゃダメだから!!」


そうりょ「では、大臣を脅して国庫を開放させましょう。それか、ゆうしゃ様に男の娘パブで働いて頂きます」


ゆうしゃ「ダメだって!!君、本当にそうりょ!?つーか男の娘パブってなに?!」


せんし「準備など必要ない!!筋肉さえあればすべて解決だ!!筋トレするぞ勇者!!」


ゆうしゃ「ええっ?!いや、まあ筋肉も必要だとは思うけど…!」


まほうつかい「いや、最も大切なのは志だ。はっきりしろゆうしゃ。お前は何のために旅に出る?」


ゆうしゃ「うぇっ…?魔王を倒して…世界を救うため…?」


まほうつかい「話にならん。ゆうしゃ。お前は、お前のフェチを救う旅に出るのだ」


ゆうしゃ「…は?」


まほうつかい「くびれを!!太ももを!!わきを!!うなじを救うために旅にでろ!!お前のフェチはなんだ!!さぁ言ってみろ!!さあ!!」


ゆうしゃ「話にならないのはお前の方だろ!!めちゃめちゃ動機不純じゃん!!なに?!わき!?うなじ!??はぁ!!?」


そうりょ「とにかく、ゆうしゃさまには軍資金を稼いで頂きます。男の娘パブに行きますよ」


せんし「いいや、王国の兵舎に行くぞ!!まずは素振り1万回だ!!」


まほうつかい「いいや、まずはゆうしゃに、ゆうしゃのフェチを熱く語ってもらう。さぁ。さあ!!」


ゆうしゃ「まともな奴が一人もいねえ!!誰か!!誰か助けて!!誰か!!」


まおう「呼んだかゆうしゃ!」


ゆうしゃ「…え?…だれ?」


まおう「我はまおうである!!」


ゆうしゃ「なーんだまおうか……。まおう!!?うわぁああ!!やばいやばい!!ヒノキの棒しかない!!!」


まおう「フハハハハハハハハハ!!覚悟しろゆうしゃ!!貴様をこの場で血祭りにあげ、その後は教会前で待ち伏せし、復活して来る度に教会送りというエンドレスループの絶望を貴様にプレゼントだ!!」


せんし「そうはさせんぞモンスターの王め!!この私の筋肉の前に滅びるがいい!!!サイドチェストオオオオオオオ!!!」


ポーズをとるせんし


ゆうしゃ「やめてくれ!!それは味方もダメージくらう!!精神に!!ちょっ…!!まほうつかい…まほうつかい!!」


まほうつかい「むっ…!フェチを語る気になったか」


ゆうしゃ「バカ!!魔法使ってくれよ!!攻撃してくれ!!」


まほうつかい「無理だ」


ゆうしゃ「はぁ?!」


まほうつかい「私は、フェチパワー。略してFPを溜めなければ魔法が使えん」 


ゆうしゃ「使えねえなもう!!つーかフェチパワーって何だよ!!いや、待った。何となく想像できるから言わなくていいや。それより、その、FPはどうやったら溜まるんだよ!!」


せんし「うおおおおおお!!!くらえ!!フロント・ダブルパイセップス」


まほうつかい「FPを溜めるには、フェチへの想いを爆発させる必要がある」


そうりょ「ゆうしゃさま!!まおうとゆうしゃさまのバトルをショーにして、鑑賞料金を取るのはいかがでしょう!!」


ゆうしゃ「今まじめな話してるからぁ!!」


そうりょ「客を集めてきます!!」


ゆうしゃ「あ、ああ〜……!!…で、んで?!FPを溜めるには?!なに?!」


まほうつかい「フェチへの想いを爆発させる必要があると言ったのだ。耳が疲れているのか?宿屋で休んできたらどうだ」


ゆうしゃ「俺だってそうしたいわ!!すべて夢だったことにしたいわ!!でも5Gしかねーんだよ!!フェチへの想いを爆発ってなに!?なにをどうすんの?!」


せんし「ヒップレエエエエエエイズ!!!!」


ゆうしゃ「黙れええ!!!」


まほうつかい「とりあえず、私の最もFPが溜まるフェチポイントはうなじと手ブラと骨盤だ。どれかを見せてもらえれば話が早いが」


ゆうしゃ「はぁ?!まぁとりあえず見せれば良いのね?!ほら、うなじ!!うなじ!!」


まほうつかい「……フッ」


ゆうしゃ「鼻で笑うなてめぇ!!!」


まおう「ゆうしゃよ。こぬのか?」


ゆうしゃ「うっ…!」


せんし「ここは通さん!!アブドミナル・アンド・サイ!!」


まほうつかい「まぁ、今の所FPはゼロと言うことだ。残念だったな」


ゆうしゃ「んだよちきしょぉおお!!」


そうりょ「ゆうしゃさま!!一人も客が集まりません!!それどころかまおうとゆうしゃ様の戦いだと言った瞬間、みんな逃げていきます!!」


ゆうしゃ「そりゃそうだろうよ!!俺だって逃げたいわ!!」


まおう「こないならこちらからゆくぞ!!」


ゆうしゃ「うわわわわわわ!!はっ…!!そうだ…!!そうりょ!!髪をかきあげてくれ!!頼む!!」


そうりょ「1500Gですが」


ゆうしゃ「いいから頼むから!!」


そうりょ「はい」


うなじを露出するそうりょ 


まほうつかい「最高だ!!!FPが高まる!!溢れる!!!!いくぞ!!!うなじファイヤアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


まおう「うわああ!!なんか心が汚れていくううううう!!!!」


ゆうしゃ「よっしゃ!!!どうだ!!!」


まおう「くっ……。覚えているがいい…ゆうしゃ…そしてその愉快な仲間たちよ…!!この借りはいずれ返してやるから魔王城までくるんだな!!フハハハハハハハハ!!」


高笑いと共に去っていくまおう


せんし「フッ……我がモストマスキュラーの前では敵ではなかったな……」


ゆうしゃ「よかったあぁ………死ぬかと思った……。そしてはじまりの王国から出られないかとおもった………」


まほうつかい「FPが尽きた。お前のフェチを語るのだゆうしゃ。フェチを語り合おう。それで多少は回復する」


ゆうしゃ「いや…えっと……」


せんし「見ろゆうしゃ!!これがまおうを追い払ったモストマスキュラーだ!!」


ゆうしゃ「ちょっ……!!うわっ!!」


そうりょ「髪をかきあげた代金払って下さい。ゆうしゃ様」


ゆうしゃ「いや…あれは!!」


まおう「ゆうしゃ。金が足りなくて王国の門を通れん。あと、魔王城まで馬車で帰りたいから2000G貸してくれ。」


ゆうしゃ「ええ?!!いや…!!」


せんし「バックラットスプレッド!!サイドトライセップス!!フロントラットスプレッドオオ!!」


ゆうしゃ「やめ…!!」


まほうつかい「何だ!耳か!!指か!!ふくらはぎか!!それともおへそか!!」


ゆうしゃ「もうやめてくれ!!」


そうりょ「早く払って下さい!!男の娘パブに売りとばしますよ!!」


ゆうしゃ「いやだぁああああ!!」


まおう「いいこと思いついた!!ゆうしゃと一緒に魔王城まで帰ればいいんだ!!」


ゆうしゃ「うわああああああああああああああああ!!!!」


暗転


ゆうしゃの母「ゆうしゃー。おきなさーい。朝よー」


目が覚めるゆうしゃ


ゆうしゃ「…ハッ!!!!……………夢か……。よかったあぁ………」


ゆうしゃ以外同時に喋る


せんし「バックダブルパイセップス!!」


まほうつかい「座ったときの膝か!!!」


そうりょ「有り金全部出してください!!」


まおう「さぁ!!いくぞ!!ゆうしゃ!!」


ゆうしゃ「ぎゃああああああああああああ!!!」


0コメント

  • 1000 / 1000